「おはようはおはようございますやけど、
さようならって、なんの略なんやろうね」
職場でそんな話になった。
それで調べてみたら、
世界の別れの挨拶は大体、see you laterみたいに、
「神様に願う」、「健康を願う」、「再会を願う」のどれかに入るらしいけれど、
日本語のさようならは、そのどれにも入らない「それならば」という接続詞。
さらば、じゃあ、それでは、
いろいろあるけど、全部意味は「それならば」。
「今日は楽しかったね。それならば、また会おうね。」
「解り合えなかったね。それならば、これでお別れしましょう。」
どっちの場合もさようなら。
すべてを言葉にするのは野暮だから、
別れるときに、「それならば…」と、それ以上言葉にしない。
日本語らしい美しい言葉だって書いてあった。
確かに余韻ある、美しい言葉。
あれから、小熊さんへ送ったLINEはずっと未読のままだった。
ようは、そういうことなんやろう。
もう最後らへんは諦めてたけど、
それでも通知が来るたびにもしかして、って思うのがしんどすぎて。
今度こそ、最後のLINE送って、ブロックしました。
わたしの思ってたことを、ただ端的に、
でも伝わればいいなって思って。
でも、そのLINEすら見てもらえない事実なんて知りたくないから、
もうトークも削除してしまいました。
さようならさえ本人に、まともに伝えられなかったことが悔しくて、悲しい。
どうせならもう開き直って良くない状況も乗りこなしてやろうって思ってたけど、結局こんな状態。
全然開き直れてなんてなかったし、むしろグダグダ引きずってる。
イタくて笑える。いや笑えん。
小熊さんに言いたかったさようならの、
その「それならば、」のあとに何が続くか考えてみた。
けど、全然しっくりこない。
ぐちゃぐちゃでまとまらない。
「いろんな気持ちをすべて語るのは野暮だから。」
って精神の挨拶なら、
ぐちゃぐちゃなものでもさようなら、の一言に込めたら、サマになるやろか？
左様なら。
美しいけど、便利でもありズルくもあるな。
小熊さん、さようなら。
いろんな打算とか興味とか尊敬とか欲とか、いろいろ混ざってたけどさぁ、
それでも好きの気持ちはホンマやってんからな、
ばかやろー。
願わくば幸せになれよ、もう知るよしもないけど。
私の気持ちは、もう伝わらへんけど。
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