最近どんどん夕暮れが早くなっていく。
退勤時間にはもうだいぶ薄暮、今日なんかはすごく風が強くて冷たかった。
でも、毎年この時期だけの嬉しいことがある。
それは、金木犀の香りがあたり一面に漂っていること。
金木犀の香りが大好きです。
この季節の、ちょっと冷たくて、すぅ~っと吸い込むと気管が少し冴える温度と、
ただよってる金木犀の香りが混ざった空気がすごく好き。
だから、外で自転車に乗ってる時だけはマスクを外して、
めいっぱい空気を吸い込む。
できるなら、瓶に詰めていつでも感じられるように置いておきたいくらい。
でも、きっと今だけだからよけいに愛おしく感じるんだろうな。
いつも職場に香ってきてた近くの金木犀、いつの間にか大部分が刈り取られてしまってた。
もう今年は花が咲かないだろうなと思ってたけど、健気にもちょこっとだけ咲いてました。
可愛いし、いじらしい。
金木犀の香りをかぐと、いつもよみがえる感情がある。
それは、誕生日が近くてワクワクする気持ち。
小さい頃、誕生日には母がいつもケーキを焼いてくれた。
この季節は、私が小さい頃はイチゴがあんまりなくて、
母の手作りのホールケーキにはいつもみかんの缶詰めが飾られてたな。
イチゴがないからって秋だからブドウでも栗でもなく、ただのみかんの缶詰。
でもそれがすごくおいしかった。
夜父が帰ってきたら、そのケーキを食べて父と母にお祝いしてもらったこと。
運動会の日の夜には親戚が家に集まって、
私の誕生日会を開いてくれたこと。
ご馳走を食べて、プレゼントをもらって、嬉しい気持ちで眠ったこと。
そんな幸せな記憶と、金木犀の香りが自分の中で結びついてるんだろうな。
だから、金木犀の香りでとても幸せな気持ちになれる。
今年、初めてふと思ったことがある。
それは、金木犀の香りが大好きになるくらい、幸せな記憶を貰えたことがほんとにありがたい事だなということ。
それくらい、すでにわたしはたくさん愛されていたんだ。
愛されない、わたしには足りないものばかりだとギャーギャー言ってたけど、
今は手元になくても、自分の中に確実に残って在り続けて、
じんわりあったかい、支えになるものがすでにあったんだと、
今更ながらに気づきはじめた。
もしも。
わたしが将来子どもをもつことができたなら、
そんな幸せな記憶をたくさん残してあげたい。
お金よりもモノよりも、きっと大切ななにかになる。
そんなことをふと思ったりした。
感情とか記憶とか愛情とかいろいろ。
今年も金木犀の香りが連れてきて、またあっという間に去っていく。
そしたら、もう冬はすぐそこだ。
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